小説備忘録 〜その35〜

「太陽は動かない」
新しい自然エネルギーをめぐって、日本、中国、台湾が舞台の産業スパイもの。
国(政治)、テロも絡んで、なおかつ登場人物の過去の繋がりとか、面白い☆
これだけのボリューム、上下巻で読みたいくらいです。

   


「ハヤブサ消防団」
東京から亡き父の故郷に移住した三馬太郎。田舎あるあるの消防団に入団。
のどかな集落で起こる、連続放火事件。
そこに密かに進行している真実に辿り着く。二転三転して面白い。
でも、池井戸作品ならもっと欲しがってしまいますw

   

「嘘つきジェンガ」
ロマンス詐欺、受験詐欺、サロン詐欺の3つの短編小説。少しずつ嘘が積み重なって崩れる感じで、タイトルは秀逸☆
詐欺ものですが、読了感はいいです。

   

「汝、星のごとく」
良かったしか言いようがない!ここ最近ではイチオシです☆
プロローグで関係性があまりわからなかったのですが、エピローグまでいって、
また読んでみると…。
終盤はもっと読んでいたかったくらい。でもこのくらいが実はイイ塩梅なのかも。もう一回、本屋大賞とる!かも。

   


「花束は毒」
結婚を辞めさせようとする脅迫状が、主人公のかつての家庭教師、真壁に頻繁に届く。その犯人突き止めるため、先輩の探偵と真相を探る。
なんか、事件の規模が小さくて、ズルズル進むので、なんかなーって感じに。
がっ!徐々に雲行きが怪しくなって、真実に辿り着くと…戦慄!ホラーすぎる!
読んでいる裏ですごいものがうごめいてる。

   

「方舟」
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥にある地下建築を訪れ、迷い込んできた家族3人と一夜を過ごすことになり、
・翌朝地震が発生、閉じ込められる。
・建物の構成上、一人犠牲になれば助かる。
・地殻が変動し、いずれ水没(1週間)
・その矢先、殺人が起こる。
・犯人を見つけて犠牲者にしたい。
この手の物語は着地点次第で、ダメダメ作品になるリスクが高い!
けど、超えてきた!うなってしまった☆
最後の最後まで、うなってしまいました!

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小説備忘録 〜その34〜

年末年始は、特にどこにも行かず。
映画をみたり、本を読んだり、つかの間の休息を☆

「山亭ミアキス」
心に悩みを抱えた救いを求める者が迷い込む、森の中の「山亭」。
超美形のオーナーにクセの強い従業員。絶品料理と猫にまつわる逸話。
心地いい読了感です☆

    


「ひきなみ」
小学校最後の年に、瀬戸内の島で暮らすことになった葉と、島に暮らしている
真以。ずっと一緒と思っていたのに、真以は島に潜伏していた脱獄犯の男と姿を消す第一部「海」と大人になった葉の第二部「陸」で構成。
千早茜作品は、出てくる会話や葛藤や表現が、やっぱりイイです。

     


「プロジェクト・ヘイル・メアリー」
あらすじや、書評、さらに帯の文字すら一切情報を入れずに読むべし!ってラジオで紹介されてて。(さすがに買わないといけないので表紙はチラ見w)
ネタバレしてイイのはSFってコトだけ。
宇宙好き、理数系の人は絶対読んだ方がイイです。映画化も決まっているようなのでなおさら☆

    


「彼女の背中を押したのは」
妹がビルの屋上から転落。自殺を図ったのか、事故だったのか?その日の朝、
妹から相談したいことがあるとメールを受けた、姉の律子が真相を探る。
毒親問題、働きづらさ、職場の人間軽視。ラストが気になって一気読み!
タイトルの意味が変わってくる☆

     


「週末のフール」
8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡すると予告されて5年が経過して、
残り3年。一時はパニックに陥った世界も落ち着き、仙台の団地の住民たち
それぞれが残りの余命をどう過ごすか?
実際、小惑星が衝突することはないけど、なんか身近な感じがして興味深い☆
地球救う系じゃないところもよかったw

    

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小説備忘録 〜その33〜

11月に突入。(あっという間に今年も残り2ヶ月…。)
読書の秋ですが、寝落ちが多い日が続いてますw

「闇祓」
日常に潜む闇ハラスメントが、コミュニティに蔓延して、死と不幸をもたらすホラー作品。前半4章でいろいろなコミュニティで闇ハラが増幅して、最終章に繋がる連作形式。どれもあるあるで、結局人間が一番怖い!

         


「ジョーカー・ゲーム」
陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校が舞台。昭和初期の時代背景なので、難しいと思っていましたが、全然読みにくくなくて、逆にわかりやすくのめり込みやすいです。
本当のスパイは「自分の正体がバレた時点で、その任務は失敗。」
となると、あのトムクルーズのあの映画w

     

「灰色の仮面」
物書きになろうと奮闘している主人公が、ある日マンションの一室から、女性の苦しそうな声を聞く。駆けつけると、女性の死体を発見と同時に、同居人に見つかり何故か逃げるはめに。目次がそそられます!

    

「ガラスの塔の殺人」
ミステリー好きの大富豪が、人里離れた場所に円錐のガラスの塔を建て、ある発表を行う為、探偵、刑事、医師、霊能者、編集者たちを集める。
クローズドサークルで、そして密室殺人が起こる。
心地いいくらいコテコテの展開w
な、訳もなく、想像を超えてきます☆

     


「怖ガラセ屋サン」
大人になると怪談とか怖くなくなる理由が、1話目から、おもいっきり腑に落ちました。身近にありそうで、派手なビビらせはないけど、ジワジワくる怖さ。
逆にリアルです。

    

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小説備忘録 〜その32〜

最近は電車・バス移動などが減り、読んでいる時の寝落ちしてしまうことw
ちょっと冊数は減っていましたが、気分転換にちょっとずつ☆

「白鳥とコウモリ」
弁護士殺害の容疑で逮捕された容疑者の息子と被害者の娘が事件に疑問を持ち
「真実」を求める物語。500ページを超えているからなかなか時間がかかると
思いましたが、さすが東野圭吾作品!一切無駄がなくて、グイグイ引き込まれて
大満足です☆

    


「正欲」
久々の朝井リョウ作品。ガツンとくる!最近よく耳にする「多様性」って言葉。
多数派の都合よい上から目線など、自分の浅さを痛感させられました。普段使っている多様性という言葉の薄っぺらさを感じます。
絶対読むべき作品☆

       

「禁じられた楽園」
邪悪なテーマパーク。恩田陸ワールド全開って感じです☆
見たことない描写なのに、くっきりイメージできる。

     

「ばにらさま」
「ばにらさま」を書こうとしたきっかけが、閉店間際の駅ビルを無目的な
白い顔でふらふら歩いていた美人さん見かけたとき。ってラジオで紹介されてて
気になってw
山本文緒作品の新作が、もう読めなくて残念。

     

「消えない月」
互いに惹かれあって付き合ったふたり。
別れを告げた後、彼がストーカーとなっていき、被害者、加害者交互の視点で
進んでいく。いろいろ手をつくしても、彼が現れる気がしてハラハラ。
結局、人間が一番怖い!

     

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小説備忘録 〜その31〜

昨年の年末年始は、2号が受験生のため、なんとなく落ち着かない
雰囲気でしたが、今年は割とゆっくり過ごせたので、読書も
まあまあできました☆(すぐ寝落ちしてしまいますがw)

「六人の嘘つきな大学生」
就職の最終試験を舞台に六人の就活生。当初は六人で協力して最終プレゼンを
行う展開から、一人だけ合格の条件となり、みんなでひとりを選出することに。
そこに謎の封筒。それぞれの抱えている重大な秘密が書かれていて…。
面白い!早い段階で謎は解けますが、そのあとも秀逸☆
就職活動の本質が腑に落ちます。絶対映像化されそう。


「不連続の世界」
この帯見たらまず読まずにいられないw
五編からなるトラベルミステリーで、恩田陸ワールド☆


「琥珀の夏」
とあるカルト集団と呼ばれていた団体組織「ミライの学校」
敷地跡から、子供の白骨死体。この組織のサマースクールに参加したことがある
弁護士の法子は、自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。

ラストに向かうにつれ怒涛の展開。お涙頂戴作品ではないのに、
なんか泣けてきます。辻村深月作品、今回も良かった☆


「invert」
続編。最初から犯人がわかっていて、クセ強めなオトボケ具合で事件を解決していくパターンは、「古畑任三郎みたいなドラマ化、間違いない!」って感じで
読んでいたら、まんまとやられました!(映像化は難しそう。)
あらためて本の装丁秀逸です☆


「変な家」
帯に「あなたは、この間取りの「謎」が解けますか?」って書かれていたら、
こういう仕事してる以上、読まずにはいられませんw

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小説備忘録 〜その30〜

あっという間に11月突入!
読書の秋☆

「元彼の遺言状」
ラジオで作者の経歴を聴いてて。小説家になることを高校の時決めて
食い扶持が必要だから弁護士になって、その研修中にプロ雀士になって。
「このミステリーがすごい!」大賞も傾向と対策を練って受賞した
(これも小説家として継続していくため。)だけあって面白い☆

 

「総理の夫」
日本初の総理大臣、相馬凛子、と寄り添う夫。
消費税再引き上げ、社会保障改革、景気対策、少子化対策、雇用促進などなど。
とにかく、所信表明はグッとくる。この人ならやってくれる!って思えます☆
こんな政治家がいたら日本は変わると思う!

 

「人格転移の殺人」
ファーストフード店に居合わせた7人。突然の大地震で逃げ込んだのは
人格が入れ替わる実験施設。避難途中に一人の女性が殺害され次々と…。
途中、誰が誰の人格かわからなくなるけど、最後は読み直さなくても、ちゃんと
結末にたどり着けるのはすごい☆
パズルのピースがピッタリはまる感じです。

 

「葉桜の季節に君を想うということ」
自称元私立探偵が霊感商法の悪事を暴く依頼を受け、その頃、自殺を図ろうと
した女性を救う。
物語の出だしがあまり好きじゃない!「この部分いる?」って思ってました。
でもこれがラストのドンデン返しの伏線で、どんだけ勘違いさせられるんだ!
って感じです☆

 

「からまる」
連作短編集。本編に出てくる脇役が次の話では主人公になっていて、
目線が変わる面白さ。
ちょっと毒々しい表現とか、ネットリした比喩とか。でも読後は爽やか☆
千早作品はたまらないw

 

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小説備忘録 〜その29〜

最近は、本を読んでるとすぐ寝落ちしてしまいますw

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
幼なじみの女性ふたり。一人は地元に残って契約社員として働き、
もう一人は都会でフリーライター。地元に残ったチエミが母親を殺害し失踪し
捜索と事件の真相を追うみずほ。
ずっと「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」のタイトルが気になってました。
やはり、辻村深月作品は面白い☆



「彼らは世界にはなればなれに立っている」
待ち焦がれた太田愛作品。
新刊をずーっと楽しみにしてて、発売日に購入☆
今までの作品とちょっと雰囲気違うけどイイ。もう一回じっくり読みたい!



「滅びの前のシャングリラ」
「一ヶ月後に小惑星が衝突して地球は滅びる。」
避けるコトが出来ない現実のなかで、学校でいじめを受けている友樹、
人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。と。歌手のLoco。
それぞれの人物目線で語られてイイ。ハリウッドにある地球救う系じゃない
感じもイイです。初版にはスピンオフの短編がついていて、5人目の目線で
完璧です☆



「妻は忘れない」
イヤミスの短編集。読み進めていると、日常のなかに潜む僅かなズレと違和感を感じます。実はそれが一番怖い気がする。




「十三番目の人格 -ISOLA- 」
主人公は人の強い感情を読み取ることができるエンパス。舞台は阪神大震災後で、多重人格の少女に突如、磯良という人格が現れる。後半はかなりホラー!
黒い家」ばりに!

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小説備忘録 〜その28〜

今年もあっという間に2月突入!
まもなく、2号の二次試験も控えており、連日祈るのみです☆

「サリエルの命題」
オリンピック開催間近に、日本の孤島で新型インフルエンザが発生し、
島民全員死亡。パンデミックによるパニック小説かと思ったら少し違った。
日本の少子高齢化、社会保障制度、医療の在り方などの問題提起。
治療薬、ワクチンの接種を誰から行うか?考えさせられます。



「悪寒」
不祥事の責任を取らされた主人公が山形の系列会社に飛ばされ、やりきれない日々を過ごす。ある日、妻からの不可解なメールと、その後、殺人容疑で逮捕された知らせ。
相手は主人公の会社の常務で妻も殺人を認めて…。
条件が揃いすぎてて「一発逆転難しいじゃん!」って感じですが。
題名、合ってる!



「選んだ孤独はよい孤独」
地元からでないアラサー、女子が怖い高校生、仕事ができない先輩。
女性の心理描写が絶妙な作者は、男目線も絶妙にうまい☆
社会のなかで何となく誤魔化してきたコトをチクリとされた気分ですw


「罪人の選択」
新作の短編集。「罪人の選択」は一升瓶と缶詰、どちらかに毒が入っていて、どちらを選ぶべきか?
それ以外の短編は世界観が凄くて、貴志祐介作品初心者のヒトはちょっと避けたほうがイイかもですw


「少年と犬」
震災後半年の仙台のコンビニで、ある男がガリガリに痩せた野良犬にエサを与えると、その男についてくる。その後飼い主が代わりながら物語が進んでいく。
どの飼い主と一緒にいても、その犬がある方角だけ常に眺めていて…。
気になって一気読みです。久々に涙腺やられました!

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小説備忘録 〜その27〜

読書の秋!(と、いいつつ一年中読んでますがw)

「めぐり会い」
置き忘れで入れ替わったデジカメ。そのカメラに残っていた写真の少年に惹かれる華美。撮影の日付は10年以上前。その写真の大人になった少年、祐一。
若干ネタバレですが、同じ時間軸で…表題通り☆
でも。タイムスリップ系ではないですw


「ロードムービー」
短編集ですが、それぞれ「えっ!」って思う登場人物だったり。この小説を読む前に絶対「冷たい校舎の時は止まる」を読むことをオススメします☆
「えーーーーっ!」ってなるし、恐るべし辻村深月ってなりますw


「Q&A」
質問者と体験者の会話だけ(Q&A)で物語が進行していきます。こんな装丁の本が並んでいたら買わずにいられません。ズルい…。


「十字屋敷のピエロ」
久々に東野圭吾作品☆25年以上前の作品なのに色褪せない面白さ!
間延びするような無駄な描写がなくてイイです☆
ピエロの人形目線の語りも要所要所にあって、最後も☆
安定感抜群です!


「あのこは貴族」
東京の名家に生まれた華子と田舎出身の美紀。家柄の良い一人の男を通じて
女性の葛藤を描いた作品。世の中が「学歴社会」ではなく、「階級社会」だと語られてて、すごく腑に落ちます。
これは絶対、男性が読むべき小説!男の浅さを反省w
読了感はイイです☆

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小説備忘録 〜その26〜

8月に突入。最近は県外移動がちょっと多めで、その移動の際に。
(コロナには万全の注意を払っています!)
弘前へは高速バスで移動してますが、40席中、乗客3,4人程度で実は快適w

「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」
死者の言葉を伝えることができる霊媒師の城塚翡翠(ちょっと、か弱い感じ)と、推理作家の香月は組み殺人事件を解決していく。ただし証拠能力がないため、香月が過程を導く。
と、同時に女性を狙う連続殺人事件と、翡翠が悟っている自身の死期。
よくある連ドラパターンかと思いきや…。最終章でやられました!

「エンド・ゲーム 常野物語」
楽しみに取っておいた常野物語の第三弾☆
第一弾の光の帝国のなかのオセロ・ゲームの続き。一族の中で最強の、相手を「裏返す」能力を持つ父の失踪。母の意識不明。
何のことかさっぱりだと思いますが、これが絶妙に面白い☆
作者はつくづく天才だと思います!

「西洋洋菓子店 プティ・フール」
フランスでお菓子作りを修行した亜樹が、祖父が下町で営んでいる西洋菓子店で働く。一つのストーリーをその登場人物目線で語られる、連作短編集で面白い☆なんといっても、お菓子作りの描写が抜群で香りとか、味とか伝わってくる感じ!

「首都感染」
タイムリーな小説。
20XX年、中国でワールドカップが開催され、遠く離れた村で致死率60%の強毒性インフルエンザが発生し、世界に、日本に!
検疫が破られ都内に感染。政府は東京封鎖を行う。
つくづく、強いリーダーシップと決断力の必要性を感じました。
この小説に出てくるインフルエンザに比べて、まだコロナの致死率が低いのが救い。しかしリアルです!

 

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